ごあいさつ

 1954年、米軍統治下の沖縄から「琉球政府計画移民」の第1陣278名が「うるま植民地」に到着してから50年が過ぎました。その道のりは決して平坦なものではありませんでしたが、大規模農家が定着し、現在では約900人が暮らしています。当資料館は、入植50周年記念事業の一環として2004年8月に開館いたしました。
 このたび、独立行政法人国際協力機構 JICA横浜 海外移住資料館のご協力により、インターネット上に「オキナワボリビア歴史資料館」を開設し、当館の資料を皆様に公開できることとなりました。資料を通して、我々の歩んできた道や生活ぶりなどをご覧いただき、ボリビアの「オキナワ村」でのウチナーンチュを知っていただくきっかけになれば幸いです。
 また、この「オキナワボリビア歴史資料館」をご覧になり、お気付きの点、また、ご存知の情報などありましたら、ぜひお寄せいただきますようお願いいたします。
 開館にあたり、多大なご協力ならびにご援助をくださった沖縄県にこの場を借りて心よりお礼申し上げます。

オキナワ移住の歴史

◆海を渡ったウチナーンチュ〔沖縄人〕

 14世紀から16世紀にかけて、琉球はアジア諸国と活発に交流を行う海洋王国でした。
  世界屈指の琉球船を操り、海洋の彼方へ中国や日本本土を始め、はるかタイやインドネシアにまで雄飛し、新たな海の道を切り拓いた万国津梁(世界の掛け橋)の国だったのです。やがて琉球王国が沖縄県となってまだ歴史も浅い1900年(明治33)、沖縄から26人がハワイに渡り、沖縄移民の歴史が始まりました。かつての海洋移民の子孫たちが、今度は「移民」としてふたたび海を渡り始めたのです。日本本土の移民開始から15年遅れだったにもかかわらず、沖縄は短期間のうちに日本有数の移民県となっていきました。

◆「ゆいまーる」(相互扶助)精神は海を越えて

 大正末期から昭和初期にかけて沖縄県の財政が疲弊していた時代や太平洋戦争で壊滅的な被害を受けた沖縄の復興に対し、移民は送金や、衣料・食料などを命がけで送るなど大きな役割を果たしました。移民と母県がまさに「ゆいまーる」精神で結ばれ、共に歩んできた沖縄の一世紀でした。いまや二世・三世の時代ですが移民先と母県との交流はつづいています。2006年〔平成18〕10月には第4回「世界ウチナーンチュ大会」が開催されています。

◆沖縄とボリビア移民

 沖縄県出身移民がペルーからボリビアへ、ゴム林契約移民として入国したのは1909年(明治42)と推定されます。かれらは天然ゴム樹液採取のための契約移民でしたが、ゴム景気の去った1915年(大正4)以降も、ペルーに戻ったり、沖縄に帰国することをせず、ボリビア国内にとどまりました。1940年(昭和15)時点で46人を数えました。
  第二次世界大戦後、1951年(昭和26)から呼び寄せ移民が開始され、その後1954年(昭和29)に琉球政府によりコロニアオキナワ(沖縄移住地)が創設され、集団開拓移民計画が始まりました。この計画により、1954年(昭和29)の401人から1964年(昭和39)の102人までの11年間で3298人が移住しました。コロニアオキナワの建設には沖縄県民の先駆者たちが中核となり新移民導入に貢献しました。集団開拓移民は当初「うるま耕地」に入植しましたが、原因不明の熱病が発生し15人の犠牲者を出したことや、水害、交通の不便な立地条件などが重なって、移住地の変更を余儀なくされ、紆余曲折を経て、1956年(昭和31)、現在の第1移住地にすべて移動しました。その後1959年(昭和34)以降入植の第2移住地、1962年(昭和37)以降入植の第3移住地が建設され、順次に沖縄移住地が広がっていきました。総面積は約5万㌶となり、これは沖縄県の全耕地面積に匹敵する耕地面積となっています。
  過去50年余コロニアオキナワは大洪水や旱魃などの自然災害にも何回となく見舞われました。しかし、そのつど大自然の猛威を克服し、いまやかつての原生林や原野を青々とした小麦・大豆・とうもろこし・ヒマワリ・サトウキビなどの畑と牧牛などのための牧場に変換し、ボリビアでも有数の開拓移住地として、しかも、ボリビアの穀倉地帯として発展を遂げています。現在、第1移住地は「オキナワ」と称し、ボリビアの公式地図にもその名が記載されており、また、同地域は現地の先住民も含めて行政区として「オキナワ村」ともなっています。


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郵便の宛先:Casilla582 Colonia Okinawa 1 Santa Cruz-BOLIVIA

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